目次
1.製品紹介
2.試験機コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.マーケティングコラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
既設のダイナモやモータリング装置に接続し、供試体の試験適応範囲を拡張します。

 電動化にともない供試体の試験領域も高速化、既存設備で適応できないケースも発生。
そんな時にギヤボックスのみ新作し既設試験機で切り抜けるのも一つの方法です。
慣性マスの影響により過渡応答試験は難しいですが、定常領域での試験ならばOK。


 




2.試験機コラム
[開発試験機のメーカ選定]
  さて試験機の要求仕様がまとまったら、次は製作依頼するメーカの選定となります。「開発試験機のご要望は全て弊社へ!」と言いたいところではありますが、実際にはそうも言えない事情があります。

 開発試験機といってもジャンルは幅広く、当然メーカごとに得手・不得手があります。車体系・操安系・動力伝達系など部位によっての違い、機能・性能・耐久といった試験内容による違い、定番機が得意か?特注機が得意か?など。それぞれのメーカの特徴を見極めて、候補者を絞りこむのが正しい方法でしょう。

 このようなご時世、最低でも3社くらいには声をかけて、相見積りにより比較検討するのは常識です。しかし、その際も価格重視で決めるのはどうかと思います。試験機としての機能は同一でもメーカや設計者によってこだわる部分は異なるもの。軽量低慣性で高性能化に注力する装置がある反面、剛性重視で耐久性を第一に考える装置も存在します。それらは一概にどちらが正しく、どちらが悪いとも言えません。対象とする試験の性格によっても異なります。

 試験機メーカも年々減少傾向にあり、多くの企業から選り取り見取りとは言えない状況。むしろ、「帯に短し、たすきに長し」の中で、苦渋の選択を強いられるのが常かもしれません。

 そういった世情で正しい選定をおこなうためには、発注者とメーカとの信頼関係が一番大切。類似試験機の製作実績とメーカの設計思想を見極め、最終的には人対人の相性で判断するのも、意外に正しい選定方法なのかもしれません。




3. 書籍紹介
ドラえもんを本気でつくる』  
大澤正彦著 PHP新書 2020年2月発行
 非常にユニークなタイトルで、表紙の写真と共に思わず興味をそそられる新書です。内容はAIロボット若手研究者による新しい学問領域「HAI(Human-Agent Interaction)」の紹介本。これからのロボット開発の一つの方向性を、著者自らの体験を踏まえわかり易く解説しています。
 著者は20代後半大学院博士課程の研究者。若者のモノづくり離れを嘆く場面が多い昨今ですが、このような若者が少なからず活躍しているということは、案外、日本の将来も輝いているのかも知れません。
 過去と未来の製造業、ベテランと若手技術者の架け橋となるような話題。エンジニアだけではなく、性別・職種・年代問わず、多くの方に読んでいただきたい一冊です。






4.ブレイクタイム
【ペルセウス座流星群】
 夏の夜空といえば、流れ星を思い浮かべます。花火の帰りや夜の散歩をして、空を見上げると流れ星を見たことはありませんか?それは、ペルセウス座流星群かもしれません。

 今年のペルセウス座流星群は、7月17日から8月24日頃になります。最もよく見えるのは8月11日から13日の3日間。21時頃から流星が出現するようになり、夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなるとされています。12日の夜に最も多くの流星が出現し、そして22時頃にピークを迎えます。
 しかし、流星群を観察しやすい時間帯のほとんどに月明かりがあり、見える流星の数もいつもより少ないようです。それでも、まずまずの数の流星を見ることができそうです。
 8月11日から13日のいずれの夜も、空の暗い場所で観察すると、見られる流星の数は最大で1時間あたり30個程度と予想されます。
観察するには月が視界に入らないようにすることをお勧めします。また、目が屋外の暗さに慣れるまで最低でも15分ほど夜空を眺めると星が見つけやすくなるようです。

 春にはいろいろなことがありましたが、星ふる夜を楽しみ、願い事を唱えると気持ちも前向きになりそうです。今年はいくつ星を数えることができるでしょうか。晴れるといいですね。

                                                            



5. -コラム-
技術開発・経済発展と環境保護のジレンマ」
                                             /青木邦章
 ニュースは新型コロナ関連ばかりで、ちょっとうんざり気味の昨今。ただ、ご当地静岡県ではリニア新幹線の話題も常にマスコミを賑わしています。時速500㎞で走行可能な磁気浮上式鉄道。1962年に開発スタート、1997年には山梨実験線で試験開始、品川・名古屋間を40分で結ぶということで2027年開業を目指しています。半世紀以上を掛けた「夢の超特急」。

 東京/神奈川/山梨/長野/岐阜/愛知とそれぞれ1駅を設ける計画ですが、静岡県通過はわずか11㎞の間、しかも南アルプス3000m級の山の1400mの深さの場所。「水資源と自然環境問題」で静岡県が工事許可を渋っている状態が続いています。
 JR東海と静岡県は因縁の間柄。東海道新幹線17駅中6駅が静岡県にあり優遇されてはいるものの、“のぞみ”の停車はなく、“ひかり”も静岡・浜松共に毎時1本のみ。「のぞみなく、ひかりもささず、むなしくこだまが響くだけ…」静岡空港も鉄道との連携を意識して、直下に新幹線が通過する場所を選定したものの、JR側は新駅建設に否定的。なかなか根の深い問題がありそうです。

 長年、輸送機器の開発分野に携わっている青ちゃんとしては、リニアも技術的には興味津々ではありますが、経済的効果と環境保護のトレードオフを考えると建設に否定的な気持ちも沸き起こります。
 速度が倍で、乗車時間は半分位。ただ、将来展開の東京・大阪間で考えても、142分が67分となり、75分縮まるだけ。「狭い日本、そんなに急いで何処へ行く?」

 新型コロナ後の世界、リモートワークが急激に普及して、時間や場所にとらわれない働き方が主流となっていく時代。生身の人間を急いで移動させることに、果たして約10兆円を費やす価値があるのかどうか?それよりもICTの開発に投資して、トータル的な効率追求する方が得策かも?

 人間の移動は観光や文化的な側面に着目して、速さよりも豊かさ・快適さを追求するのも一つの考え。もう一度、価値観を見直す必要があるかも知れません。



6.マーケティングコラム
[オンライン活用の夜明け]
 昨今のコロナ禍で、B2Bマーケティング環境にも大きな変化が起こっています。特に顧客と直接やり取りする営業活動は大きな変化を余儀なくされています。皆さんの周りでも、それまでの対面による営業からZoomやMicrosoft Teams、Google Meetといったビデオ会議ツールを使っての営業へと転換したことと思います。営業に携わる方からは、「オンラインでのやり取りは、相手の表情やちょっとした変化が読み取りにくく、やりにくい」という話をしばしば伺います。そんなオンラインコミュニケーションにご苦労されている皆さんに、少しだけ明るい話題を提供できればと思います。

 対面と非対面での情報伝達の差異を研究した杉谷(2010)によると、対面でのやり取りよりもオンラインを介した非対面でのやり取りのほうが、実は大量の情報が正確に伝わるというのです。さらにここで興味深いのは、対面でやり取りした参加者の方が、実際には正確に情報が伝わっていないにもかかわらず、「伝わった”つもり”になっている!」ということです。リアルでのコミュニケーションには、相手の身振りや手振り、表情といった非言語的な手がかりが多数含まれます。これらの情報は、読み取ることに必要なエネルギーが多いわりに、必ずしも本質的な価値提案につながるとは限りません。やり取りそのものは盛り上がったとしても、重要な要件が伝わっていなかったり、仕様に誤解があったりしては本末転倒です。

 オンラインでのやり取りは、慣れないうちはストレスの多いものかもしれません。しかし、慣れてさえしまえば、豊富な情報を正確にやり取りできる手軽な営業経路となるポテンシャルを秘めているのです。特に遠隔地の企業や、海外の企業に簡単にアクセスできる経路の確立は、技術に自信のある企業には追い風になることでしょう。

 イギリスのことわざに、The darkest hour is just before the dawn. (夜明け前が一番暗い)というものがあります。今回のコロナ禍が、日本企業のオンライン活用の夜明けとなることを信じます。





















7.やまのひとりごと
 暦どおりのお休みの方は、今年は7月23日から26日まで4連休ですね。
特に予定もないのですが、お休みとなると何だかわくわくします。
エアコンをつけた涼しいお部屋で映画鑑賞でもしようかな?

スポーツの日なのにスポーツとはあまり縁のない、やまなのでした。